【深川②】五本松町
町名:五本松町
読み方:ごほんまつちょう又はごほんまつまち Gohommatsuchō or Gohommatsumachi
区分:俗称
起立:江戸期
廃止:不明
冠称:不明
現町名:江東区猿江二丁目
概要:『南本所横川ヨリ御材木蔵迄 : 天保一一年八月ノ形』にある。小名木川の北岸、小名木川クローバー橋から小名木川橋までの地域。大島町町屋、猿江町町屋等が土岐大学、九鬼式部少輔という武家地の間に飛び飛びで存在しており、その一帯を指す俗称だった。「バラバラ松」とも呼ばれた。
『新編武蔵』に「昔小名木川の此岸に古松五本ありしよりの名なり。後年水溢のために朽ち損して、僅かに一樹のみ九鬼大隅守屋敷の内に残れり。されど古名に従い此辺の小名とせりと」とある。九鬼家の屋敷に枝を張った形の良い老松は、徳川家光が感嘆したことから有名になり、安藤広重の『名所江戸百景』に描かれた。小林清親の『東京名所図』にも描かれたが、セメント工場の煤煙で痛み、1909(明治42)年頃に廃滅した。
なお、松尾芭蕉もこの場所に舟を止め「川上とこの川下や月の友」の句を残している。明治の末に枯死した松だが、1988(昭和63)年9月に現在の地に復活した。
撮影場所:五本松町
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